2025.5.22ファンド

株式会社うむさんラボが運営するカリーファンド、Liquid Mineに出資 — 難治性白血病の治療に希望をもたらす遺伝子解析技術を支援

うむさんラボが運営する地域課題解決型のインパクト投資ファンド「カリーインパクト&イノベーション1号投資事業有限責任組合」(以下、カリーファンド)は、株式会社Liquid Mine(以下、Liquid Mine)への出資を実施しました。Liquid Mineは、独自の全ゲノム解析技術を活用し、白血病などの血液がんに関連する原因遺伝子変異を網羅的に特定する検査技術を開発・提供しています。

白血病とは:病気の特徴と治療の課題

白血病は、遺伝子の異常(突然変異)などによって発症する血液のがんです。変異のパターンによって多数のタイプに分類され、タイプによっては5年生存率が10%台にとどまるケースもある、非常に深刻な疾患です。特に沖縄県は、白血病の罹患者数・死亡者数ともに全国的に高い水準にある地域の一つとなっています。

また、強力な放射線治療や薬物治療を行った場合には、患者の生殖機能に影響が出たり、免疫機能が低下して長期的に感染症リスクが高まるなど、治療がQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼすこともあります。

効果的な治療方針を決定するには、患者ごとに「病気の原因である遺伝子変異」を正確に把握することが不可欠です。現行の検査でも、疾患との関連が明確な複数の遺伝子変異を網羅的に調べることは可能ですが、診断が難しい症例や標準治療が奏功しないケースでは、原因となる変異を特定できないこともあります。

Liquid Mineが提供する解決策

Liquid Mineの技術は、患者の全ゲノム(遺伝情報のすべて)を解析することで、既知・未知を問わず、疾患との関係が疑われる変異を網羅的に探索することができます。さらに、患者ごとの特異的な変異に基づいて、がん細胞の動態を追跡し病気の進行度合いや治療の効果を検知できる専用検査薬を患者個別に生成できる点が、同社の大きな強みです。これにより、各患者に適した治療法の選択が可能となり、効果の乏しい治療や不要な副作用を避けることが期待されます。

また、従来の白血病に対する遺伝子検査では骨髄液の採取が必要であり、患者にとって身体的・精神的負担が大きいという課題がありました。Liquid Mineの検査は血液検査で実施可能なため、患者の負担を軽減しつつ、必要な頻度での検査が可能となります。

【Liquid Mineのロジックモデル(2025年5月22日時点)】

出資理由:カリーファンドからLiquid Mineへの期待

今回の出資を通じてカリーファンドは、Liquid Mineの技術が白血病など難治性血液がんの治療精度を高め、患者さんの生存率や生活の質の向上につながることを期待しています。現時点で同社の技術は沖縄県内では未導入ですが、将来的に県内医療機関との連携が実現すれば、沖縄にいながら最先端の検査を受けられる環境が整うことになります。

カリーファンドは、出資およびインパクト測定・マネジメントを通じて、Liquid Mineのビジョンの実現を支援していきます。

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